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【全文転載】死亡数、コロナ禍余波で急増 震災の11年上回るペース~by日本経済新聞さん

★2021年12月10日 0:30
新型コロナ: 死亡数、コロナ禍余波で急増 震災の11年上回るペース: 日本経済新聞


2021年の9月までの死亡数が前年同期より約6万人増え、東日本大震災があり戦後最多の増加となった11年を上回っていることが分かった。新型コロナウイルスだけでなく、心疾患や自殺などによる死亡も前年より急増。コロナ禍の余波で平年を大きく上回る「超過死亡」が生じている。

厚生労働省の人口動態調査によると、今年9月までの死亡数は約107万5千人で、前年同期より5万9810人増えた。11年3月の東日本大震災では約1万6千人が死亡し、同年9月までの死亡数は前年同期より4万9680人多かった。年間でも前年から約5万6千人増え、戦後最多の増加数だった。21年は9月時点で上回っている。


新型コロナの世界的流行(パンデミック)が始まった20年は9月までの死亡数が前年同期より約1万8千人減った。肺炎やインフルエンザなど呼吸器系の疾患が感染対策で大幅に減ったためだ。年間では約9千人減で11年ぶりに減少した。


なぜ21年は死亡数が大幅に増加しているのか。コロナとともに、それ以外を原因とする死亡が増えたことも大きい。


人口動態調査で今年7月までの死因別の死亡数でみると、全体で前年同期より約4万5千人増加したうち、コロナが約1万2千人を占めた。このほか老衰が約1万1千人増えたほか、心不全など心疾患が約7千人、脳卒中が千人あまりなど循環器系疾患が約9千人増加していた。

高齢化で老衰は前年も増加していたが、循環器系疾患は前年同期の約8千人減から大幅な増加に転じた。平年を上回ったのは4月以降。緊急事態宣言の長期化により、運動不足などで健康状態が悪化したほか、受診控えなどが広がった可能性がある。一方で肺炎が約5千人減るなど、前年に続き感染対策の徹底が影響している。


自殺者も増えている。人口動態調査によると7月までに約1万2千人に上り、前年より約1400人増加。自殺者数は20年後半から大幅に増え、同年は11年ぶりに増加に転じた。21年も平年を上回る傾向が続いている。女性の自殺が目立ち、飲食・サービス業など女性が多い非正規労働者の雇用環境の悪化が影響したとみられる。


国立感染症研究所は8月までの超過死亡を算出。17年以降の死亡数と比べて全国で4万3千~8千人の超過死亡が生じているとした。都道府県別では最大で東京が約4100人、大阪が約3600人、神奈川が約2800人、北海道が約2700人。コロナ感染が拡大した都道府県で多い。


調査結果をまとめた感染研の鈴木基・感染症疫学センター長は「新型コロナの流行が一因で、特に多いところは医療の逼迫が影響した可能性が考えられる」と指摘する。


今後、国内全体の死亡数はさらに増加する可能性がある。


国立がん研究センターによると、20年にがんと診断された登録数が前年より約6万件減少。減少は統計開始の07年以降で初めてで、自覚症状がない初期段階の患者が大幅に減った。コロナ禍で検診や受診が減った影響とみられ、今後、進行した状態で見つかると死亡数が増える恐れがある。


(社会保障エディター 前村聡、牛込俊介)


死因分析し対策が必要


政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会構成員の岡部信彦氏の話 新型コロナは感染対策を徹底しても死亡数が1万数千人に上る。恐れすぎはよくないが、まだインフルエンザ並みとはいえず、適切な対策は継続すべきだ。コロナ以外の死亡数が増えたのは昨年減少した反動もあるかもしれないが、慢性疾患や自殺など増加した死因は分析して対策が必要だ。心筋梗塞など急性疾患の死亡は急増しておらず、医療現場などはギリギリで持ちこたえたのではないか。


▼超過死亡 感染症が流行している一定の期間の死亡数が平年と比べてどれだけ上回っているか示す指標。感染で死亡したケースだけでなく、外出自粛による受診控えや自殺の増減など感染対策が社会に与えた影響を総合的に評価できる。
医師が感染を疑わずに未検査の場合や検査体制が不十分な場合もあり、感染症の死亡数だけでは流行の影響を正確に把握できない。世界保健機関(WHO)は超過死亡を感染症の影響を比較・分析する指標として推奨している。